2004年度　講義概要

「予防と健康管理ブロック」


[G.I.O]

1. 人間をとりまく自然，社会環境因子と健康の関連を探求し，疾病の予防・早期発見および健康の維持増進を図る科学領域において，健康問題を個人の問題としてのみとらえず，様々なレベルでの集団，社会における問題として解析し，対処することを理解する。
2. 我が国の公衆衛生の現状と問題点を理解し，その対策へのアプローチを理解する。
3. マスメディアによってとりあえげられる種々の環境・健康・栄養・労働にまつわる社会的問題の医学的側面を評価し，自分なりの意見を身につける。


[S.B.O]

1. 公衆衛生及び予防医学の意義を説明できる。
2. 健康の定義，健康障害の要因，健康の保持・増進方法等を説明できる。
3. 我が国ならびに世界の人口の現状，静態・動態統計について説明できる。
4. 疫学の概念・手法，指標の意義等について説明できる。
5. 母子保健の概要（意義，対象，現状，対策等），母体保護・人類遺伝学等の概要を説明できる。
6. 感染症の流行要因，予防対策，流行状況等を説明できる。
7. 国民栄養の現状と対策を説明できる。
8. 学校保健の概要（意義，対象，現状，対策，行政等）を説明できる。
9. 産業中毒ならびに職業性疾患について病態，予防，対策，行政管理等を説明できる。
10. 環境の概念，汚染，公害等について説明できる。
11. 生活環境因子による健康障害について説明できる。


[講義項目]

1. 予防医学と健康保持増進
2. 人口統計と保健統計
3. 疫学とその応用
4. 母子保健
5. 学校保健
6. 感染症対策
7. 国民栄養
8. 産業中毒およびその他の職業性疾患
9. 環境保健と生活環境因子による疾病


[教科書]

NEW予防医学・公衆衛生学；岸玲子，古野純典，大前和幸，小泉昭夫　編：南江堂
（必要に応じてプリントの配布あり）


[参考書]

国民衛生の動向（厚生の指標臨時増刊）2003年第50巻第9号：厚生統計協会
産業医学実践講座：日本産業衛生学会近畿地方会　編：南江堂
スタンダード公衆衛生学：眞野喜洋　編：文光堂
分子予防医学：松島綱治　編：医学書院
TEXT公衆衛生・予防医学：大野良之　編：南山堂
公衆衛生マニュアル2003：柳川洋，中村好一　編：南山堂
産業保健マニュアル（改訂４版）：和田攻　編：南山堂


[試験]

1学期末に，記述式・五肢選択形式の複合型試験を行う。
原則的に補充試験は行わない。
連絡その他はe-mailにて大槻まで（takemi@med.kawasaki-m.ac.jp）。

2004年度講義概要

保健・医療ブロック


[G.I.O.]

１．健康・疾病・障害についての定義，これらに関係する要因，これらの我が国の現状並びに対策を理解する。
２．いわゆる熟年になって急激に罹患率が上昇し、我が国の死亡原因の70％以上を占める生活習慣病，入院受療率が最も高い精神障害，新しい作業条件・環境による労働者の健康障害等の第1～3次予防（健康増進，特殊予防，早期発見・早期治療，障害の制限，社会復帰）を理解する。
３．我が国の社会保障制度の一環である保健，医療，福祉，介護等の制度，他の国との比較，これらを支える関係法規等を理解する。
４．医の倫理，医療と社会との関わり，国際保健，診療情報，証明書等について理解する


[S.B.O.]

１．健康，疾病，障害の概念，これらと環境との関係，我が国の社会環境の変動と国民の健康状態について説明できる。
２．主な生活習慣病の現状，リスク要因，予防対策について説明できる。
３．精神障害の現状，精神的健康の保持・増進，精神障害者の保護・医療・福祉について説明できる。
４．産業保健における産業疲労，健康管理，労働災害について説明できる。
５．労働衛生行政について国内，国際的な視野から説明できる。
６．我が国の保健・医療・福祉・介護制度の特徴，これらの組織と連携，施設と機能，従事者，情報システム等について説明できる。
７．高齢化社会・少子化社会・障害児(者)への対応，在宅ケアについて説明できる。
８．地域保健・地域医療と医師の役割，医療計画，プライマリヘルスケア，救急医療，災害医療，へき地医療について説明できる。
９．社会保障の概念，医療保険と公費医療，医療経済について説明できる。
10．医の倫理と医師の義務，医師と患者及び家族との関係，末期患者への対応，医療事故と医療過誤について説明できる。
11．患者・障害者のもつ心理・社会的問題について説明できる。
12．診療録，医療記録，診療に関する諸記録，診断書，検案書，証明書について説明できる。
13．保健・医療・福祉・介護関係法規の概要を説明できる。
14．世界の保健・医療の問題，国際保健・医療協力について説明できる。
15．保健・医療・福祉・介護関係の施設見学実習を通して，見学者，医学生，医師に必要な人間性及び態度を身につけ，適切に行動できる。


[講義項目]

１．健康・疾病・障害の概念と健康
２．成人保健と高齢者保健
３．生活習慣とリスク
４．栄養と健康
５．精神保健福祉
６．産業疲労
７．職場の健康管理
８．労働衛生行政
９．国際労働衛生
10．日本の保健・医療・福祉・介護制度の特徴
11．保健・医療・福祉・介護の組織と連携
12．保健・医療・福祉・介護の施設と機能
13．保健・医療・福祉・介護の従事者と情報システム
14．地域保健，地域医療と医師の役割
15．医療計画
16．プライマリヘルスケア，救急医療，災害医療，へき地医療
17．高齢化・少子化社会・障害児(者)への対応，在宅ケア
18．社会保障の概念
19．医療保障と医療経済
20．医の倫理，医師と患者，医療事故・過誤
21．診療情報と諸証明書
22．薬事関係法規
23．国際保健


[教科書]

NEW予防医学・公衆衛生学：岸玲子，古野純典，大前和幸，小泉昭夫，南江堂，2003


[参考書]

国民衛生の動向2003年：厚生統計協会，2003
スタンダード公衆衛生学：真野喜洋，文光堂，2002


[評価]

出席状況，見学実習態度，２学期末試験の成績等で総合的に行う。試験は記述又は五肢選択方式で行う。
（補充試験は原則として行わない。）

2004年度講義概要

医用中毒学ブロック


G.I.O.

薬物のみならず食中毒，様々な化学物質，金属類，気体など種々毒物の分析・同定法，生体への影響，診療と治療，予後また死体でみられる所見などを総合的に理解する。濫用薬物について関連法規，医学的知識の理解を深める。


S.B.O.

1.　中毒というのは何も特殊な病気ではなく，身の回りのどこにでもある，またいつでも起こりうるものであることを理解する。
2.　検査試料に対する基本的かつ実際的取り扱い方法を知る。
3.　毒物検査の特徴と意義ならびに検査方法の原理と実際を知る。
4.　薬毒物による急性中毒患者に施すべき応急処置の概略が説明できる。
5.　中毒発症の原理について例を挙げて説明できる。
6.　重要な薬毒物による急性中毒の特徴点および診断の基本を説明できる。
7.　食中毒について分類，原因，現状，症状，治療，予防を説明できる。
8.　自然毒の分類，原因，現状，症状，治療，予防を説明できる。
9.　アルコールによる中毒について説明できる。
10.　薬物中毒の個人差を遺伝子レベルから例を挙げて説明できる。
11.　薬物濫用とはなにか。その社会医学的な意義を理解する。
12.　薬物濫用や依存に対して将来の医師としての心構えを自覚する。
　

講義項目

1.　中毒の一般原理
2.　検査試料の取り扱いと薬毒物検査
3.　診断と救急処置
4.　薬毒物の急性中毒各論
5.　食中毒
6.　自然毒
7.　アルコールの毒性学
8.　化学兵器
9.　トキシコゲノミクス
10.　濫用薬物と関連法規


教科書

とくに指定しない。プリントあり。


参考書

とくに指定しない。


試験

期末に筆記または五肢選択で行う。